正義の味方ギガトラストDoubt
:
:
﹃
﹄
、
﹃
﹄
。
﹃
﹄
に感染し腐魂が世に溢れることによる世界の崩壊
、
﹃
﹄
:
:
即ち﹃
﹄
。
﹃
﹄
、
世界は既に増え続ける腐魂によ
っ
て崩壊していたであろう。
、
これからもその存在は必要不可欠である
。
﹃
﹄
、
反旗を翻す者達がいた
。
﹃
﹄
、
功績を認めず、
レジスタンスとして武力行使を繰り返した
。
﹃
︽
信頼︾
﹄
﹃
﹄
い者達は
、
かつて自分達が信じていた正義に対し叫んだ。
|
|
お前達は、
﹃
︽
疑念︾
﹄
、
と。
、
霧消して浄化された
。
﹁
:
:
っ
:
:
﹂
、
弥生の心臓には言い知れない不快感がのしかかり
、
蓄積されていく。
、
腐魂を身体に取り入れると言うことである
。
、
自らの魂の汚染によっ
て食い止める:
:
﹃
﹄
﹃
ァ
イス﹄
きないそれは
、
使命であると同時に自傷行為でもある。
﹁
はぁ
、
はぁ
:
:
ぅ
っ
:
:
ぐぇ
っ
:
:
!
﹂
、
とさえ呼べる。
ゃ
り、
びちゃ
りと赤からかけ離れた色の血を吐き出しながらも
、
弥生は口元を拭っ
て目の前の討伐対象を見据えた
。
﹁
あと、
三体:
:
っ
:
:
﹂
、
踵を振るい、
掌で抉り取り。
、
その身に取り込んだ。
﹁
:
:
しんど:
:
﹂
、
隊員達からはお疲れ様です、
と労いの言葉をかけられる
。
、
ふらふらと幽鬼のように自室へ歩いてい
っ
た。
、
かなり立場が高く待遇も良い。
。
文字通り身を削るような任務を任されているため
、
使命の放棄以外なら大概は許される。
ァ
イスになることを﹃
﹄
、
﹃
﹄
、
金銭面において困ることなど皆無だ
っ
た。
、
残り少ない余命をできるだけ絢爛に生きることに決めた
。
、
高い服を着て、
高いベッ
ドで寝る。
﹁
疲れた|
:
:
﹂
っ
た弥生はとても数時間前まで異形を討
っ
ていたとは思えないだらけた顔で、
仰向けにベ
ッ
ドに倒れこむ。
、
ゆるやかに回転する天井扇をぼんやり眺めていた
。
:
:
と言うよりは、
人生の逆転だ
。
っ
た頃は、
目は茶色だっ
た。
自慢の髪も艶のある栗色ではなくぼさぼさの黒髪だ
っ
たし、
纏う|私服︽
ドレス︾
は犬の小便がかかっ
たぼろ切れだっ
た。
、
虫を蛋白源とし、
雨風を凌ぐのにも苦労していた
。
、
生きるので精一杯だっ
た。
いつか自分も、
光の当たる場所を歩く奴等のように何不自由なく暮らす
んだと誓
っ
た。
人間らしく。
笑顔で。
、
金が必要だっ
た。
っ
て、
身体を売るよりは戦う方が適性があ
っ
た。
強くなれば成り上がれるこの場所は、
彼女に向いていた
。
天職だとすら思っ
た。
、
この場所が彼女に﹃
きすぎていたことだ
﹄
っ
た。
っ
たが、
彼女は戦闘において天才と呼ばれるカテゴリに食い込む辣腕であ
っ
た。
ァ
イスは、
強者にしか務まらない。
。
望むなら、
まだまだ要求することも可能だ
。
上層部はいくらでも金を積み上げるだろう
。
、
快く人生を棒に振っ
てくれるなら。
︵
今の生活と昔の生活:
:
どっ
ちがマシだろうな︶
、
明日に夢を見ていた過去
。
、
一歩ずつ迫る死に怯える今
。
、
まっ
とうな人生とは言い難い。
︵
:
:
寝よう。
せっ
かく贅沢できるんだ、
今を楽しめるだけ楽しもう
︶
、
心地よい涼風に身を委ねた
。
﹁
﹃
﹄
っ
て?
﹂
﹁
:
:
聞いていたのか。
ああ、
どうやらまた活動を始めたらしい
﹂
:
:
いつもは呼び出される側の弥生が、
今日は司令室に自ら赴いていた
。
﹁
そ|
なると、
あたしの出番だよね﹂
﹁
:
:
本当は君を前線に出したくはないのだがな:
:
﹂
。
対して弥生はにぃ
と笑
っ
ている。
ァ
イスはその役割のため、
腐魂相手以外の戦闘に駆り出される事は滅多にない
。
っ
て死なれでもしたら大きな損害だ。
大事に大事に
、
絵の具のチュ
|
ブのように絞っ
て絞り切っ
て、
パレ
ッ
トに先端を押し付けても出なくなっ
てから死なれるのが最良だ
。
、
弥生はサクリファ
イス化の際に金銭とは別に、
もう一つ条件を提示した
。
﹃
︽
トラスト︾
相手に戦わせてくれること、
それができないならやんない
﹄
ァ
イスにするようなら
、
とっ
とと自殺するか適当にお前ら何人か殺っ
て首を手土産にトラストに参加しち
ゃ
うぞ:
:
﹃
﹄
。
っ
て、
腐魂はあくまでも身を切っ
て駆除する対象であり
、
心を焦がして戦う相手とは言えない。
﹁
仕方ない。
ただし、
単身で行動するのは許さん。
相手が相手だからな
﹂
|
|
こっ
ちから言い出さなければだんまりを決め込んでたくせに
、
監視まで付けるのかよ。
、
彼の言い分に一理あるのも確かだ
っ
た。
﹃
︽
最後の︾
ダウト﹄
。
﹃
﹄
君臨し
、
自らも凄腕の拳士として襲撃の先頭に立つ覆面の人物である
。
っ
たが、
ここに来て急にその姿を見せた
。
﹁
彼は﹃
﹄
、
仲間の数は不明
:
:
いくら君が強くても、
一人で戦うのはあまりに無防備だ
﹂
﹁
﹃
﹄
:
:
奴も?
﹂
﹁
いや、
彼がレギオン能力を使っ
たのを見たと言う情報はない
。
確実とは言えんが、
我々
は違うのではないかと推測している
﹂
﹃
﹄
。
魔物のような腐魂意思体とはまた別の、
﹃
﹄
。
、
それによる強さを得た存在
。
っ
た頃と差が出ないサクリフ
ァ
イスに対し、
レギオンは飛躍的に力を増す。
、
瞬発力、
動体視力、
反射神経:
:
それらの向上にプラスして超能力じみた力さえ行使することができる
、
まさに超人である
。
、
その代償は人間が背負うにはあまりにも重い。
、
レギオンになっ
たその時点で寿命の半分近くが一気に消し飛ぶ
。
、
レギオン特有の能力を使えば使うほど、
残された半分の寿命は凄まじい速度で削れる
。
ァ
イス同様:
:
いや、
下手をすればサクリファ
イス以上に
、
命の消耗が激しい。
、
それだけ人の魂を侵食するのだ。
、
それが溢れないようにサクリファ
イスが必要になる
:
:
っ
た。
、
レギオンは本来ダウトにとっ
て無価値、
いや腐魂を撒き散らす悪ですらある
。
。
﹃
﹄
、
ダウト内にもレギオンが存在する
。
﹁
:
:
茶村と、
﹃
﹄
。
今回は威力偵察だ
、
撃破が難しいと見たらすぐ撤退するように﹂
、
と手を振っ
て弥生は司令室を後にした。
、
いっ
たん広げてからまた握る。
そして
。
:
:
ひゅ
っ
ぁ
ん|
|
、
大気が爆ぜる音が廊下に響いた
。
﹁
|
|
久しぶりに、
あたしの魔拳が振るえそうだ﹂
○
﹁
:
:
しっ
かし、
な|
んでこんな堅物と一緒なんだか:
:
﹂
﹁
上からの命令だ、
文句を言うな﹂
、
それも獣道を歩くダウトの一行。
﹃
﹄
きる隊員達
、
それに角刈りの、
目つきが鋭い男:
:
リ|
ダ 巌夫 いわお
|
の茶村︵
さむら︶
と弥生が続く。
﹃
﹄
、
称号のようなものである
。
、
そしてなにより戦闘能力を加味して与えられる
、
色名が入っ
た苗字だ。
﹃
﹄
、
茶村は﹃
﹄
。
、
必然的に色持ちの定員は限られる
﹃
﹄
。
、
桜庭弥生と茶村巌夫は全国で数千数万も存在するダウト隊員の中で超が三つつく程のエリ
|
トであり、
色を射程圏とする隊員もまた超がつくエリ
|
トなのだ。
っ
た名と、
同時に与えられる色のついた瞳は
、
全ダウト隊員にとっ
て憧れの的である。
﹁
:
:
茶村隊長、
本当にオメガダウトはこの先にいるのでし
ょ
うか﹂
。
﹁
なんだ、
びびっ
てんのかよ﹂
と横から小声で冷やかす隊員も
、
笑みがぎこちない。
。
、
オメガダウト:
:
っ
ていることは少ない
、
ただ、
一つだけ確実なことがある。
、
とてつもなく強い。
、
当時のダウト隊員にと
っ
て恐怖そのものだっ
た。
﹁
:
:
どうだろうな。
突然消えた奴が今頃になっ
て現れるのも不可解だ
。
見間違いかもしれない。
だが:
:
いる
、
と仮定はしておけ。
油断は禁物だ﹂
﹁
はい:
:
﹂
っ
た返答を聞き、
多少隊員達の恐怖が和らいだ
。
﹁
だ|
いじょ
ぶだっ
て。
オメガダウトが出てきてもあたしがばば
|
んとぶっ
倒してやるから心配すんな。
ちゃ
んとお前達の活躍も上には盛
っ
て報告してやるからさ﹂
﹁
あ、
ありがとうございます:
:
!
﹂
﹁
感謝しますっ
、
桜庭隊員:
:
﹂
、
隊員達はえへらと笑みを返す。
、
そして凄腕の戦士とは思えない細身の身体に
、
幼さが抜けき
っ
ていない朗らかな笑顔。
、
ダウト内でも人気の高い隊員である。
特に、
男性は彼女に恋心を抱いている者も少なくない
。
﹁
桜庭、
貢献したかどうかは俺が客観的に述べる。
実力に見合わない昇進をして力不足のまま色持ちにでもな
っ
てしまえば
、
逆に危険だ﹂
々
と正論を述べる巌夫に弥生が大きく舌打ちする。
﹁
チッ
:
:
融通の利かない石頭だなぁ
、
こいつは:
:
。
髪型はダサいし
、
ゴツくてキモいし、
眉毛が長方形だし:
:
あ|
あ、
色持ちにしたっ
て別の隊員付けてくれりゃ
あいいのに
:
:
﹂
。
巌夫は、
最後の愚痴にだけ返事をした
。
﹁
性格が合わなかろうが身体の相性がいいんだ、
仕方ないだろう
﹂
﹁
!
?
﹂
﹁
ほわぉ
!
?
﹂
|
ん!
﹁
ぐほっ
!
?
﹂
のは巌夫の頬だ
っ
た。
﹁
な、
何をする:
:
?
﹂
﹁
こっ
ちのセリフだよ!
!
、
なに唐突に意味わかんないこと言い出すんだ
っ
:
:
!
?
﹂
。
﹁
意味わかんない:
:
?
っ
きとした事実だろう﹂
﹁
言葉を選べ!
ゃ
ね|
かよ
っ
!
!
﹂
、
固まっ
て何やらひそひそ話している
。
﹁
やっ
ぱり、
桜庭さんっ
て茶村さんと毎日ずっ
こんばっ
こんしてるんだ
:
:
﹂
﹁
ああ、
昔からの付き合いっ
て言っ
てたからな:
:
喧嘩ばかりしてるように見えてベふ
ッ
ドの中では﹃
ぁ
ぁ
っ
:
:
﹄
﹃
ゃ
ぅ
ん:
:
!
﹄
う
:
:
﹂
﹁
一緒にお風呂入っ
て﹃
、
洗っ
てあげる:
:
え、
スポンジがない あ
?
、
あたしの胸が、
スポンジ代わり:
:
﹄
っ
てるんだろうな:
:
﹂
﹁
ほら変な噂されてる!
前らの会話 ず
!
!
っ
こんばっ
こんとか言うな!
!
!
っ
て言うかどんなプレイだ
!
?
﹂
︵
桜庭さんの口からずっ
こんばっ
こんとか飛び出た:
:
!
ッ
コミ長っ
:
:
!
︶
﹁
お前達、
無駄話もそれくらいにしておけ﹂
っ
赤にしてる桜庭と隊員達を、
巌夫が嗜める。
﹁
元はと言えばお前が変なこというからだっ
:
:
!
﹂
﹁
文句なら任務の終わっ
た後で聞いてやる﹂
、
巌夫は奥に見える廃屋を指し示す
。
﹁
:
:
あそこが、
オメガダウトの目撃地点だ﹂
○
っ
立て小屋、
と言う表現がよく似合うようなおんぼろの木造建築が木
々
の開けたなかにぽつんと存在していた
。
﹁
:
:
ほんとに、
隠れ家っ
て感じの家だな:
:
どうする 家ごとぶ
?
っ
壊す?
﹂
﹁
ぶっ
壊すな。
窓から中を覗いてオメガダウトの存在を確認し
、
一人でいたら襲撃をかける。
仲間がいるようなら撤退
、
誰もいなかっ
たら室内の調査に移る。
わかっ
たな
﹂
、
闇中に足音を消して小屋へと忍び寄る。
っ
てあるガラス窓をから室内を覗き込む。
灯りはなく
、
何か動いている様子もない。
中を探すが
、
見える限りでは誰もいない様子だ。
﹁
お前達は外の見張りをしてくれ。
俺と桜庭で中を調べる
﹂
、
扉をゆっ
くりと開く巌夫。
、
注意して力を入れる
。
﹁
:
:
﹂
。
、
もう少し開いてから巌夫も潜り込む
。
1
2
畳ほどの小屋内には、
中心に大きな机、
椅子が数個
:
:
それに煤けた箪笥と、
クロ|
ゼッ
トのようなスペ|
スがあるだけだ
っ
た。
っ
てない、
最近使われたであろう机には何も置いてない
。
椅子も然り:
:
。
っ
ていっ
た。
必然的に、
巌夫は箪笥の引き出しを調べることになる
。
﹁
!
:
:
どうやら、
当たりみたいだな﹂
、
各地のダウト基地と周辺の地図が見つか
っ
た。
、
襲撃時に手薄な場所はマ
|
キングが入っ
ている。
、
巌夫の顔が強張っ
た。
﹁
﹃
﹄
、
だと:
:
?
:
:
こいつもまだ生きていたか
:
:
!
﹂
﹁
:
:
!
、
茶村、
これ:
:
!
﹂
、
彼女は何かコスチ
ュ
|
ムのようなものを手に掴んでいた。
﹁
オメガダウトの:
:
﹂
﹁
:
:
そのようだな﹂
、
怨敵の覆面、
そしてタイツであ
っ
た。
、
掴む弥生の手からは汗が止まらなか
っ
た。
幾人もの同胞の血を吸っ
たであろう
、
その黒は。
、
濁っ
ているように見えた。
﹁
でもさ、
これ、
なんか:
:
小さくない:
:
?
﹂
﹁
:
:
?
﹂
。
言われてみれば、
確かにそうだっ
た
。
ュ
|
ムを広げて自分に当ててみると一目瞭然である
。
、
更に一つ小さいサイズ
。
﹁
オメガダウトの正体は、
子供:
:
?
:
:
:
:
女、
なのか:
:
?
﹂
﹁
お、
おい、
なんだお前は、
止ま、
ぎゃ
っ
|
|
|
!
?
﹂
|
|
ざぐん。
﹁
!
﹂
、
それに輪をかけて不穏な重々
しい刃物が落ちる音が響いた
。
﹁
おい、
どうした!
﹂
、
それは|
|
﹁
さ、
茶村たいちょ
:
:
たすけっ
:
:
:
:
|
|
|
﹂
|
|
既に頭から唐竹割りに斬り殺された隊員の死体と。
っ
た今胴を横薙ぎに両断された、
隊員の死体であっ
た
。
﹁
:
:
!
!
﹂
、
わずか数秒の間に﹃
﹄
とな
っ
ていた。
﹁
あ、
あ、
ば、
化物:
:
ッ
!
!
﹂
っ
た隊員は、
襲撃者の姿と仲間の無残な死を目撃し
、
戦意を挫かれてがたがたと震えている
。
﹁
:
:
ッ
!
ッ
!
!
、
本部に戻りながら応援を要請するんだ 走れ
!
!
ッ
:
:
!
!
﹂
﹁
は、
はいっ
:
:
!
﹂
、
元来た道を走り出す
。
。
﹁
|
|
応援なんて来ないわよ。
貴方達が生きてる間にはね
﹂
、
剣によっ
て﹃
ら心臓を刺し貫かれた
﹄
。
﹁
:
:
ぁ
|
|
﹂
ゃ
り、
と斃れる隊員。
﹁
っ
:
:
!
?
﹂
﹁
なん、
だありゃ
:
:
!
?
、
何をした:
:
?
﹂
。
々
と、
隊員達を殺した二人組が合流した
。
、
釣り合わないコンビ。
﹁
良い子ね、
﹃
﹄
﹂
﹁
:
:
ゥ
ゥ
、
グゥ
:
:
﹂
、
筋骨隆々
な仮面の大男。
、
前髪が目にかかるほど長い、
学生服を纏
っ
た少女。
﹁
お前ら、
よくもうちの隊員を:
:
!
!
﹂
﹁
:
:
中にあっ
た悪趣味なタイツは、
お前のものか?
﹂
、
巌夫に対して、
少女はうつむきながらくすくすと笑
っ
ていた。
﹁
勝手に人様の家を物色するなんて、
ダウトの犬は躾がな
っ
てないわね﹂
﹁
答えろッ
:
:
!
!
﹂
。
。
、
笑顔。
、
歪んだ妖しさを漏らしていた。
﹁
申し遅れたわね:
:
こっ
ちは﹃
﹄
︵
くちば︶
、
それで私は浅葱︵
あさぎ︶
:
:
。
﹃
ウトよ
﹄
﹂
。
、
紺色の焔があっ
た。
﹁
ああ、
貴方達は自己紹介しなくていいわよ。
茶村巌夫と桜庭弥生でし
ょ
。
顔と名前は知っ
てるわ﹂
﹁
:
:
ダウトに情報を流したのもお前達か?
﹂
﹁
あっ
たりまえじゃ
ない。
最近大きな襲撃が無かっ
た中でち
ょ
っ
と覆面被っ
て暴れればダウトは大騒ぎ:
:
そこで餌を与えてやれば
、
ほら、
こんな簡単に食いついてくれたわ
。
色持ちが二人も釣れるなんてラッ
キ|
だけど﹂
|
ラ|
服のリボンを細い指先でほどき、
闇夜に放
っ
た。
、
上から一つ一つ外して脱いでいく
。
﹁
なんで敵前で脱ぎ出すんだよ!
!
っ
:
:
!
?
﹂
﹁
痴女なもんですか。
:
:
貴方達も、
ただの女学生に負けたらみ まあ
っ
ともないでしょ
う?
、
それもそれでアリだけど正装があるの
:
:
私にはちゃ
んとした﹃
﹄
﹂
、
小屋の中にあっ
たものと同じタイツを着込んでいた
。
ッ
グの中から、
やはり同じマスクを取り出す。
﹁
そういうわけで:
:
貴方達はこれから、
﹃
ウトと殺戮兵器によ
﹄
﹃
﹄
っ
て死ぬのよ﹂
。
機械音が、
男女の声質差を消し去
っ
た。
﹁
:
:
どう見ても女の身体だ。
やはりお前は、
オメガダウトを騙る偽者だな
﹂
ィ
ッ
トするタイツは、
莉緒の︵
弥生よりは
︶
凹凸のある肢体を欺くことはできない。
っ
てはエロティ
ッ
クですらある:
:
こんな状況でもなければ
、
だが。
﹁
お、
お前どこ見て言っ
てるんだよ:
:
!
、
胸なのか
っ
:
:
胸なんだなっ
:
:
!
﹂
﹁
なぜお前が怒る:
:
?
﹂
。
﹁
オメガダウトがいない今、
私こそが本物、
真のオメガダウト
:
:
。
彼の意志:
:
遺志かも知れないけど、
それは私が継ぐわ
。
トラストを率い、
ダウトを潰す。
おしゃ
べりはこのくらいにしておこうかしら
、
朽葉﹂
っ
と二人を威嚇していた朽葉が立ち上がり
、
レギオン能力を発現する。
2
m
程もある体躯よりも更に巨大な、
片刃の大斧をその手に精製した
。
﹁
:
:
﹃
|
ンナクス﹄
:
:
﹂
。
っ
二つにした殺戮兵器と呼ばれる所以である
、
彼が﹃
﹄
。
﹁
:
:
奴は俺が相手をする。
偽オメガダウトは不気味だが
、
お前が死にさえしなければ仕留め次第加勢する﹂
﹁
へっ
、
じょ
|
だん。
あたしがパパっ
と倒して、
二人で化物退治の間違いだろ
﹂
っ
ている二人が、
それぞれの相手と対峙する
。
﹁
あたしが大将首の大手柄いただき、
っ
てわけだ。
っ
て言
っ
ても、
情報を吐かせるから殺しはしないよ。
感謝しなオメガダウトち
ゃ
ん。
:
:
そして覚悟しなオメガダウトちゃ
ん、
あんたの手足
、
あたしの魔拳でベキベキにへし折っ
てやる﹂
﹁
あら:
:
貴女も魔拳使いなの?
こと書いてあ
っ
たわね:
:
いいでしょ
う、
見せてあげるわ
。
オメガダウトの魔拳を、
ね﹂
﹁
:
:
一応殺さないつもりだが、
お前の強さによっ
ては殺害もやむを得ないかもしれない
。
うちの隊員をやっ
てくれたんだ
、
そのぐらいは承知の上だろうが:
:
。
、
言いたいことがあるなら先に言っ
ておけ
﹂
﹁
:
:
﹂
﹁
:
:
俺か?
。
始めるぞ﹂
。
。
、
火花を散らす。
○
っ
ていた。
﹃
。
変幻自在の軌道で、
敵の死角を狙い撃つ
:
:
練達者の魔拳は、
相手に回避防御の一切を許さない
﹄
。
っ
た拳は、
斜め下から敵を襲う。
っ
た蹴りは、
敵の左脇腹を食い破る。
、
全く変わらない速度で。
、
関節部の着脱である。
﹃
﹄
っ
てしまうことで
、
常識ではありえない角度への攻撃を可能とする。
﹁
|
|
﹃
﹄
っ
!
!
﹂
。
右腕を頭の左に構えて、
袈裟掛けに振り下ろす
。
当然、
普通に振るえば拳が当たるのは相手の右肩付近になる
|
|
はずである。
、
左が空く。
﹃
﹄
、
知らぬ者が受ければ一撃で地に伏せることとなる
。
﹁
ぐっ
:
:
﹂
、
左脇腹を防御する莉緒。
だが、
弥生の狙いは正確には脇腹ではなか
っ
た。
﹁
あんたは魔拳を使う、
と言っ
た。
ならば左腕は早めに潰しておいた方がいい
﹂
、
手首関節。
そこが真の狙いである。
、
防御をしなくともダメ|
ジは大きい。
弥生にとっ
ては
、
先手を取る事こそ狙いだっ
たのだ。
っ
たが、
しばらくは痺れたままだろう
。
︵
次は右を潰す|
|
!
︶
、
弥生の魔拳が獲物を穿たんと疾駆する
。
|
|
違和感。
︵
こいつだっ
て、
オメガダウトを名乗ろうとする程度の実力者
。
それが、
この不利な状況で防御に徹するなん|
|
︶
ッ
とした弥生は咄嗟に身を屈める。
ぃ
|
|
﹁
ッ
!
!
﹂
、
レイピアが通り抜けていっ
た。
、
肩の上数c
m
を抉り取りながら。
﹁
へえ、
運が良いわね。
いや、
悪いのかしら?
で死ねたのに
﹂
、
優勢に踊らされていた弥生が歯を食いしばる
。
﹁
レギオン、
能力:
:
か:
:
﹂
﹁
あら、
バレちゃ
っ
たかしら?
﹂
﹁
恐らくあんたは、
武器を作れるだけ:
:
精製できる﹃
﹄
、
ちょ
っ
とばかり遠いだけの、
しょ
ぼい能力だ
:
:
﹂
、
少女が前にいるのに後ろから刺されていた
。
、
心臓を貫かれることはないにしても
、
胴体に大きなダメ|
ジを負っ
ていたであろう。
﹁
まあ、
秘密にするほどの能力でもないから構わないわ魔拳も使えるけど
。
そう、
私﹃
﹄
:
:
﹂
|
スを、
右の魔拳で狙い撃つ
。
、
弥生に分がある。
左腕で拳撃を放ち
、
相殺する、
も|
|
﹁
:
:
﹃
﹄
﹂
、
大きく切り裂かれる。
﹁
ぐあああああッ
!
﹂
、
地面に降り注いだ。
○
﹁
﹃
ッ
クスピア﹄
:
:
﹂
﹁
:
:
﹂
、
どこからともなく長柄の槍を取り出し、
構える
。
っ
ていた朽葉は驚くことなく、
間合いを詰める
。
。
武器精製程度で、
何を言う事でもない
。
、
上段から大斧を振り下ろした。
。
一瞬前まで自分が立っ
ていた地面が、
ざ
っ
くりと抉れていた。
、
圧力に潰されていただろう。
、
その巨体を貫かんと疾駆する巌夫
。
﹁
力は大したものだが、
あまりにも隙が|
|
﹂
。
、
巌夫の角刈りをもう一段短く刈り上げた
。
︵
二本目:
:
はまだ想像の範囲内だっ
たが:
:
︶
﹁
片手で軽々
と振るうか、
それを:
:
レギオン能力とて
、
重量がないわけではなかろうに:
:
﹂
、
朽葉の持つ﹃
|
ンナクス﹄
ため
、
見た目相応か以上に重く作り上げてある。
﹁
﹃
﹄
:
:
ッ
!
﹂
っ
走る。
c
m
で穂先は肉体に届く、
と言うところで大斧がそれを遮
っ
た。
﹁
くっ
:
:
﹂
、
一旦距離を置く。
、
攻撃。
見切れない速度ではないが、
斬撃に付随する風圧だけでも人を破壊できる勢いだ
。
。
、
速く、
隙がないのだ。
|
|
︵
:
:
?
、
斧:
:
しかし、
それをどうする:
:
?
:
:
!
!
︶
|
|
彼の、
尋常ならざる膂力。
。
っ
た掘っ
立て小屋が、
﹃
﹄
降下斬撃によ
っ
て、
木っ
端微塵に爆裂し、
派手に倒壊した
。
、
地響きが轟くほどの一撃であっ
た。
﹁
:
:
指の間に大斧を挟み、
片手で三本持ち:
:
化物か
ッ
:
:
!
?
﹂
。
、
未だ巌夫を射止めている
。
○
﹁
あ|
あ、
あのお馬鹿、
派手に壊してくれちゃ
っ
て:
:
まあ、
どうせ餌に使っ
た後放棄する予定の小屋だっ
たけど
﹂
、
莉緒が肩をすくめる
。
﹁
:
:
随分余裕だね:
:
まさかもう、
あたしに勝っ
たつもり
:
:
?
﹂
﹁
つもりも何も:
:
﹂
。
それを避ければ、
莉緒本人の魔拳の餌食だ
。
、
意識が飛ばされそうなほどにきつい一撃を喰らう
。
﹁
げふっ
:
:
!
﹂
﹁
貴女は一対一のつもりだっ
たんだろうけど、
実質二対一よフランベルジに前後を挟まれて
。
私と﹃
ュ
﹄
、
どうや
っ
て勝つわけ?
﹂
、
魔拳を見切るのに集中力が必要なのは当然である
。
もし莉緒が魔拳使いでなくただのレギオンなら
、
打破できていたかもしれない。
﹁
間隙突きっ
て言うのはこういうことを言うのよ。
魔拳一本でどうにかなるなんて思うのは浅はか
:
:
魔拳とはあくまでサブウ
ェ
ポン、
戦術の基礎にはなりえないわ﹂
々
しげに言う。
﹁
:
:
否定したいが:
:
あたしに、
それを違うと言う資格はない
:
:
﹂
﹁
敗者、
だもんね﹂
﹁
:
:
そうじゃ
ない:
:
﹂
っ
た。
散々
拳と刃で痛めつけられて
、
体の節々
から血が流れている。
﹁
:
:
まだやる気?
っ
ているのかしら
?
﹂
﹁
あたしに:
:
魔拳使いを名乗る資格はない:
:
﹂
﹁
:
:
?
﹂
、
闘気が漲っ
ていく。
、
漲らせていっ
た。
弥生自らの、
意志で。
、
口を開いた。
﹁
ちぃ
っ
:
:
!
﹂
、
離れれば投げられる一本。
三本の大斧による縦横無尽の絶え間ない猛攻は
、
まるで旋風が巻き起こ
っ
ているかのような激しいものであっ
た。
﹁
投げても手元に戻っ
てくる武器か:
:
まるで北欧神話のミ
ョ
ルニルだな:
:
﹂
︵
:
:
向こうも、
苦戦しているようだ:
:
ここで時間をと
っ
てるわけにはいかんッ
:
:
!
︶
、
巌夫は振り終わりのタイミングを狙
っ
てそれに飛び乗っ
た。
﹁
貰っ
た!
﹂
。
|
チは長い、
中に入るのは一苦労だ。
だが、
入っ
てしまえば成す術はない
。
﹁
﹃
ッ
クスピア﹄
!
﹂
﹃
﹄
。
﹁
ぐはっ
:
:
!
?
﹂
っ
たのは、
巌夫の方だっ
た。
、
体格の差。
、
あと数c
m
のところで勝
っ
ていた。
︵
武器を使わずとも、
この威力かっ
:
:
!
︶
。
ダウトの色持ちなら、
まだまだ倒れるわけにはいかないダメ
|
ジだ。
っ
て、
満足に動けると言うわけにもいかない。
﹁
:
:
認める、
お前は強い。
立場云々
を別にして、
尊敬すべき戦士だ
﹂
﹁
:
:
﹂
。
褒められた朽葉が、
軽く会釈を返す
。
﹁
:
:
だから俺も、
出し惜しみは無しでいく。
もう少し付き合殺戮兵器
っ
てくれ、
﹃
﹄
﹂
、
見る見る内に塞がれていく。
っ
かえも、
数秒にして消え去
っ
た。
、
口を開いた。
﹁
オ|
ラア|
ツ:
:
﹂
﹁
解放:
:
ッ
!
!
﹂
、
爆発的に膨れ上がる。
﹁
!
!
!
﹂
|
ラア|
ツ。
、
闘気操作術
。
、
耐久力、
敏捷性の向上に加え
、
その効力は怪我の治癒まで及ぶ。
﹁
オ|
ラア|
ツ、
使い:
:
習得の困難さと魔拳に及ばない底として
、
現在は使用者が皆無に等しいっ
て聞いてたけど
:
:
﹂
﹁
あたしの師匠は魔拳一本で戦っ
てた。
とても、
強かっ
た
:
:
。
あたしも師匠のようになりたかっ
たけど、
あたしは戦闘に才はあ
っ
ても、
魔拳の才能は無かっ
たんだ:
:
あたしは:
:
﹂
﹁
させないわ:
:
ッ
!
﹃
﹄
:
:
﹂
﹁
魔拳に生きることが、
できなかっ
たッ
:
:
!
!
﹂
、
魔剣よりも。
、
刹那だけ速かっ
た。
﹁
|
|
っ
っ
!
!
!
!
﹂
﹁
オ|
ラ、
パワ|
ド:
:
﹂
、
相手より速ければ全て事足りる
。
、
地に沈んだ。
﹁
:
:
実のところ、
俺は結構力自慢なんだ。
ダウト内でも
、
下らない力比べは起こる。
そして俺も、
表面上は呆れているが内心では自信がある
。
少なくとも、
破壊力においては一番ではないかと思
っ
ている﹂
﹁
:
:
﹂
。
、
私事を後回しにして下の面倒を見るタイプのため
、
上司の受けは良いし部下からの評判も悪くない
。
、
仲のいい同僚はほとんどいなかっ
た。
︵
弥生を除けば別だが
、
二人は否定するであろう︶
、
黙っ
て彼の言葉を聞いていた
。
﹁
だが、
それを証明する術はない。
俺は不器用だ、
戦闘訓練でオ
|
ラア|
ツなど使えば怪我人は免れないだろう
。
下手したら死人が出る。
だから滅多に使えない:
:
だが
、
研鑽は怠っ
ていない﹂
っ
て、
ゆっ
くりと、
再び槍を構えて、
突撃の姿勢を取
っ
た。
﹁
:
:
叩き潰してやる、
殺戮兵器:
:
逃げるなら今の内だぞ
﹂
﹁
:
:
:
:
﹂
、
何も喋らずに。
ただ一本だけ残して斧を消し、
それを両手持ちに構える
。
﹁
フ:
:
﹂
。
、
まっ
すぐに駆けた。
気持ちいいほどの、
直進だ
っ
た。
﹁
﹃
ッ
クスピア﹄
ッ
!
!
!
!
﹂
﹁
:
:
﹃
|
ンナクス﹄
:
:
!
﹂
っ
た槍と、
ただひたすらに強い斧がぶつかり合い
、
交通事故でも起こっ
たかのような破壊音が一帯を支配する
。
っ
た。
﹁
おおおおおおおおおおおおおッ
!
!
!
﹂
﹁
:
:
:
:
!
!
﹂
。
だが。
﹁
ぐっ
:
:
:
:
﹂
、
みしみしと何かが軋む音が聞こえる
。
|
ラで保護している巌夫の体躯と、
いかんともしがたい質量差に悲鳴を上げるデモニ
ッ
クスピアの穂先であ
っ
た。
々
に、
押し返され後退しゆく槍撃。
なんとか踏ん張り
、
堪えようとする、
も|
|
ぃ
ぃ
ん|
|
、
酷使に耐え切れず破砕する。
﹁
ッ
:
:
﹃
|
クランス﹄
ッ
!
!
!
﹂
|
ラを全て槍に注ぎ、
闘気によっ
て紫の刃を精製する
。
、
秘密だと言っ
て見せてはくれなかっ
た
、
彼の師匠の切り札に似ていた|
|
、
粉砕し、
尚も勢いは止まらず持ち主である朽葉を貫き
、
圧力で吹き飛ばした
。
﹁
:
:
グッ
:
:
!
:
:
|
|
﹂
﹁
ハァ
、
ハァ
:
:
俺の、
勝利だ:
:
﹂
:
:
しかし最後に立っ
ていたのは巌夫であ
っ
た。
○
﹁
こっ
ぴどくやられたじゃ
ん、
茶村﹂
、
弥生が近寄
っ
てきた。
﹁
こっ
ちの相手のほうが強かっ
ただけだ。
お前だっ
て、
血塗れだぞ
:
:
﹂
﹁
お前が弱いから苦戦したんだろ。
行数無駄に取りやが
っ
て﹂
︵
行数:
:
?
︶
﹁
まだよ、
まだ負けてないわ:
:
﹂
﹁
:
:
﹂
、
どうにか立ち上がりながらも強い語調で言う
。
、
立ち上がれこそしないものの意識はあるようだ
。
っ
たまま、
莉緒の元へと近づいた。
﹁
そんなフラフラの身体でまだやるっ
て?
ゃ
あ眠らせて拉致と行きますか
:
:
:
:
!
﹂
、
咄嗟に首を左に倒す。
、
銃弾に持っ
ていかれた。
﹁
少しだけ、
時間を稼げればいい:
:
ほんの少しでも、
貴方達を消耗させればいい
:
:
﹂
、
莉緒の闘志、
そして怨念は収まることが無く
。
、
四方八方から銃口が二人に狙いを定めていた。
﹁
トラスト、
かっ
:
:
?
﹂
﹁
ひ、
卑怯だぞお前ら|
っ
:
:
!
﹂
﹁
金で雇っ
ただけの、
単なるゴロツキよ:
:
それに卑怯も何も
、
貴方達だっ
て応援を呼ぼうとしていたじゃ
ない
:
:
﹂
﹁
そうだっ
た!
!
﹂
﹁
桜庭、
バカなのがバレるからもう喋るな:
:
﹂
﹁
ば、
バカとはなんだバカとは:
:
!
﹂
﹁
もうバレてるわ﹂
﹁
バレてないよ!
ゃ
ないよ!
!
﹂
っ
て、
銃弾程度は大した障害にはならない
。
っ
てない上に、
十数人に別方向から狙われてさえいなければ
。
︵
あ、
あはは:
:
。
どうしよ:
:
﹃
﹄
、
使っ
ちゃ
う
:
:
!
?
︶
︵
:
:
それもやむなしか:
:
だが、
俺達もあまり動ける状況ではない
:
:
殺されないようなら一旦捕まっ
て回復してからアレで逃げ出した方が懸命か
、
﹃
﹄
:
:
?
︶
。
︵
:
:
いや:
:
偽オメガダウトと殺戮兵器が回復すると厄介だなアレで逃げるぞ
。
仕方ない、
﹃
﹄
︶
︵
わ、
わかっ
た:
:
あ、
でも久しぶりすぎてちょ
っ
と感覚が
:
:
︶
﹁
そんなこと言っ
てる場合か!
!
!
!
﹂
﹁
怒鳴るなよ!
﹂
﹁
?
:
:
﹂
、
彼らは一斉に二人へと引き金を絞り
|
|
﹁
しま|
|
﹂
﹁
やば|
|
﹂
、
弾かれる。
﹁
:
:
:
:
へ?
﹂
、
間抜けな声を漏らした。
、
同じ事を思っ
ていた。
、
何か﹃
﹄
れてあらぬ方向へ飛んでい
っ
た。
﹃
﹄
﹃
﹄
。
一瞬見えたそれは集合体で
、
幾何学模様のような、
何かの﹃
﹄
あ
っ
た。
﹁
:
:
うん、
しょ
:
:
ちょ
っ
と、
ごめん、
なさい:
:
﹂
っ
けに取られるゴロツキ達の間から、
弥生よりいくつか年上の女性が戦場に入り込んできた
。
、
てとてとと緊張感なく小走りで駆けてきた
。
ャ
|
ジを纏っ
た、
気弱そうな女性。
ハ|
フなのか顔立ちは整
っ
ているが、
衣服のせいもあっ
てどこか垢抜けない印象を受ける
。
﹁
あ、
の:
:
大勢で、
人数が少ない人たちを、
攻撃するの
、
は:
:
あまり、
よくないと、
思い、
ます:
:
﹂
っ
ともな事を言う、
もっ
ともこの場にそぐわない人物
。
﹁
:
:
誰、
貴女?
、
死ぬわよ﹂
﹁
えっ
と、
その、
あの、
私、
一般人じゃ
ありません:
:
、
の、
お手伝いをしています:
:
﹂
、
莉緒は特に気にかける必要もないと判断した
。
﹁
:
:
ああ、
そう。
一応忠告はしたから、
流れ弾に当た
っ
ても自己責任ね﹂
﹁
まずい、
お、
おい姉さん、
早く逃げろ:
:
!
﹂
﹁
大丈夫、
です:
:
﹂
﹁
何が大丈夫なんだよ!
?
、
もう!
!
﹂
思い出し
、
喚く弥生に向かっ
て、
再び銃弾の嵐を浴びせる
。
。
二人は﹃
﹄
方法で避けようとする
、
も|
|
、
﹃
|
ム内の人間﹄
っ
た。
﹃
﹄
っ
た。
レギオン能力で精製した、
固い以外にさしたる特異もないただの盾
。
っ
ぽけなそれがバリア
、
タイルのように整然と並び、
空間を覆う﹃
﹄
となる
。
、
どこからどう見ても一般人にしか見えない
、
ジャ
|
ジ姿の女性だっ
た。
、
彼女は﹃
﹄
達の足元に剣を突き立てる
﹃
﹄
。
、
実に三十本余り一度に精製したのだ
。
﹁
!
!
!
﹂
﹁
あの:
:
みなさん:
:
話し、
合っ
て、
解決:
:
﹂
﹁
ば、
ば、
化物:
:
!
!
﹂
﹁
ひっ
、
ひぃ
っ
:
:
!
!
!
﹂
﹃
﹄
か無か
っ
たゴロツキ達は、
蜘蛛の子を散らすように逃げてい
っ
た。
﹁
:
:
ぁ
ぅ
:
:
ばけ、
もの:
:
。
ひどい:
:
﹂
ョ
ッ
クを受けているようだが
、
それはダウトとトラスト達から見ても化物じみた能力だ
っ
た。
﹁
:
:
何:
:
何なの、
貴女:
:
!
?
﹂
、
莉緒の顔から余裕は完全に崩れ去る
。
﹁
だ、
だから、
正義の、
味方の:
:
あ、
お、
お名前ですか 私
:
:
?
、
ラゼッ
ト・
黄海っ
て、
言い、
ます:
:
﹂
﹁
﹃
﹄
ッ
ッ
!
!
!
﹂
、
謎の危険人物を排除すべく朽葉が大斧を手にした
。
。
十全とはいかないまでも
、
人一人叩き潰すことなど造作もない振り下ろしが。
﹁
あ、
はい:
:
呼びました、
か:
:
?
﹂
・
ウェ
ポンによっ
て封殺される。
﹃
﹄
っ
てからデ
、
﹁
あ、
そう言えば﹂
と振り向いて﹃
|
ンナクスの一撃を受け止めていたミリアドを
﹄
﹃
・
ウェ
ポン﹄
解除した
。
、
せぐん、
と土が耕された
。
﹁
|
|
﹂
﹁
先輩!
!
﹂
﹁
:
:
あ:
:
﹂
、
先程彼女が来た方角から新たに男が現れた
。
﹁
もう、
先行っ
ちゃ
駄目じゃ
ないですか:
:
地図持っ
ていくから
、
迷っ
てしまっ
た:
:
﹂
、
ワイシャ
ツ姿の青年だ
っ
た。
﹁
:
:
塩彦、
くん:
:
ごめん、
なさい:
:
﹂
﹁
いや、
無事ならいいんですけど:
:
能力、
惜しげもなく使
っ
たりしてませんよね:
:
?
﹂
﹁
ち、
ちょ
こっ
と、
だけ:
:
一瞬、
だけ、
しか、
使っ
てない
、
よ:
:
?
﹂
﹁
:
:
ならいいんですけど:
:
自分が危ない時以外使っ
ち
ゃ
だめですよ:
:
?
:
:
む:
:
?
﹂
﹁
あれは:
:
青井、
塩彦:
:
か:
:
?
﹂
﹁
:
:
師、
匠:
:
?
﹂
、
弥生が固まる。
﹁
君は:
:
確か、
ダウトにいた:
:
いや、
あの頃は執行人だ
っ
たか:
:
弥生くん、
だよね:
:
?
﹂
﹁
お、
覚えていてくれたんですか師匠!
です どこ行 私
!
っ
てたんですか!
、
色持ちになっ
たんですよ
、
それから、
それからっ
:
:
﹂
﹁
あ、
ああ。
後で聞かせてもらうよ。
それより:
:
﹂
ゃ
|
きゃ
|
と喚く弥生をどうどうと抑え、
塩彦は破れた覆面を纏
っ
たままの莉緒に向き直る。
﹁
:
:
ダウト?
、
ダウト隊員なの?
﹂
﹁
君が、
オメガダウトを騙っ
てる人物か:
:
女の子だっ
たとは
:
:
﹂
﹁
ダウトは全員私の敵よ、
せめて貴方だけでもッ
|
|
!
!
﹂
、
いきり立っ
て塩彦へと駆ける
。
﹁
一人でも多く、
道連れにしてやるッ
:
:
!
!
﹂
﹁
:
:
﹂
、
構えもせず、
ただ彼女の方を向くだけだ
っ
た。
﹁
師匠、
危ない、
そいつは|
|
!
!
﹂
﹃
﹄
、
遅かっ
た。
。
前方からは魔拳。
かねない絶技は
。
、
両手に収まる。
﹁
っ
と、
危ないな:
:
﹂
の刀身を掴み
。
、
後手から鏡写しに真似て、
左手の掌でぱしんと受けていた
。
っ
た技を一回で見切られた事に目を見開く莉緒
。
﹁
そんな:
:
私の、
魔剣が|
|
!
!
﹂
﹁
:
:
オメガダウトを名乗るには、
君の﹃
﹄
練不足だ
。
、
レギオン能力をそれが補うのか
。
アイデアは悪くない。
:
:
これを﹃
﹄
、
あまりに稚拙だ
﹂
、
ひゅ
んと振る
。
、
捉えることができなか
っ
た。
﹃
ルジに
ュ
﹄
、
死を感じてしまっ
た。
﹁
:
:
あ、
あ:
:
﹂
﹁
これも真似事だけどね。
:
:
はい、
返すよ﹂
っ
て差し出すも、
へたり込んでしまっ
たので塩彦はそれを地面に置いた
。
○
﹁
青井、
塩彦:
:
ダウトから失踪したと聞いたが:
:
とにかく窮地を救
っ
てもらっ
たのは確かだ。
礼を言う:
:
いや、
言わせて頂きます﹂
﹁
えっ
と、
君は琥珀のところの弟子、
だっ
け:
:
?
構わないよ
、
別に。
それより、
君達もオメガダウトの情報を追
っ
てここに?
﹂
﹁
はいはいはい!
!
|
見せたかっ
たな私の活躍 前よりず
!
っ
とずっ
と強くなっ
たんですよ私
!
﹂
﹁
う、
うん。
すごいね。
すごいすごい。
ところで、
彼女たちの処遇なんだけど
:
:
﹂
い塩彦が弥生の話を華麗に流す
。
﹁
:
:
ッ
:
:
﹂
﹁
:
:
:
:
。
﹂
﹁
当然、
ダウトに連れ帰っ
て情報を吐かせます。
重罪人ですからね
﹂
﹁
:
:
その後は、
処刑かい?
﹂
﹁
:
:
申し訳ありませんが、
そこまでは部外者にはお答えできません
。
上が判断する、
とだけ言っ
ておきます﹂
、
塩彦がそうだろうなとため息を吐いた
。
そして尋ねる。
﹁
:
:
見逃す、
と言うわけには?
﹂
﹁
し、
師匠:
:
?
﹂
﹁
理由がありません。
現に我々
は三人隊員を殺されています
。
例え処刑されたとしても、
当然の報いと言えるでし
ょ
う﹂
﹁
:
:
っ
!
、
よくもそんな事を
ッ
:
:
始めに私の家族を殺したのは、
あんたたちでし
ょ
うッ
:
:
!
!
﹂
﹁
:
:
殺されるようなことを、
したんだろう﹂
﹁
!
!
っ
:
:
!
!
!
﹂
﹁
スト|
ッ
プ!
ッ
プ!
!
ェ
イトウェ
イトウェ
イト
!
!
﹂
﹁
し、
塩彦、
くんが、
外国の人に:
:
﹂
﹁
私は待ちますよ師匠﹂
|
トアッ
プする口論に塩彦が割っ
て入る。
いた
。
﹁
お互い言い分はあるだろう:
:
だがとりあえずは最後まで俺の話を聞いてほしい
﹂
﹁
:
:
﹂
﹁
:
:
﹂
っ
てくれる二人を見て、
塩彦が言葉を続ける
。
﹁
:
:
ダウトが存在しなければ、
この世界の存亡が危ういインフ
:
:
と言うのは事実だ。
﹃
ェ
ルノフレ|
ム﹄
はき
っ
と大丈夫だとしても、
サクリファ
イスはこの世界に確かに必要だ
﹂
﹁
:
:
﹂
。
︽
サクリファ
イス︾
の行いの意味、
ダウトの存在の是非については彼女も時折考えていた
。
﹁
かといっ
て、
ダウトが正義である、
とは思えない。
強引な手段を必要とするのは理解できるが
、
あまりにやり方が残酷すぎる
。
少なくとも、
反逆者や脱走者の家族は有無を言わさず皆殺しなど
、
どう考えたっ
てやりすぎだろう
。
、
|抵抗集団︽
トラスト︾
ができるのも:
:
﹂
っ
て、
自戒するような顔をしながらも続けた
。
﹁
:
:
時間の問題だっ
た、
だろう。
彼らの行いは世界規模で見ると害悪だが
:
:
だからと言っ
て、
泣き寝入りしろとはとても言えるはずがない
。
彼らは加害者だが、
被害者でもある
。
他でもないダウトの、
だ。
っ
ても、
誰も納得しないだろう
。
だが、
今ダウトは内部から俺の仲間が良い方向に向けている
。
少しずつだが:
:
今の技術ではサクリフ
ァ
イスの数をゼロにはできないのは悔しいが、
被害者の数は確実に減らせる
。
:
:
はっ
きり言っ
てしまえば
、
君達の殺し合いは迷惑だ﹂
、
全員を見渡しても
、
誰も口を挟むことはなかっ
た。
﹁
:
:
心情的に無茶な事を言っ
ているのはわかる。
だが
、
とりあえず今日のところだけでもお互い矛を収めてくれないだろうか
。
争いが一つ減るだけで、
世界はマシになる
:
:
俺からは、
以上だ﹂
﹁
:
:
いいかしら﹂
﹁
どうぞ﹂
っ
た塩彦に対し、
莉緒が挙手する。
﹁
理屈はわかっ
たわ。
:
:
いえ、
最初からわかっ
てる。
所詮は何の得にもならない争いなんだと
。
こんなことをした
っ
て家族は帰っ
てこないと。
ゃ
あ、
私の心はどうすればいいの?
、
悲しみを
、
ダウト以外の誰にぶつければいいのっ
:
:
!
?
﹂
﹁
俺でいい﹂
、
莉緒が何を言うのかわかっ
ていたかのように即答した
。
﹁
|
|
え﹂
﹁
さっ
きはトラスト全体に言っ
たが、
今度は君個人に言う
。
復讐をやめろとまでは言えないが、
復讐だけに生きるのはやめておいた方がいい
。
っ
ているが:
:
最後には後悔していた
。
復讐なんかに捉われず、
普通の生き方をしたいと悔やんでいた
。
:
:
復讐とは別に、
何か:
:
何でもいい、
やりたいことを増やすといい
。
復讐心が消える前も消えた後も
、
心が楽にはなるだろう。
:
:
殴られ役ぐらいなら務めよう
。
君の怒りと憎しみを、
少しでも和らげることはできる
。
:
:
責任の一旦は、
俺にある﹂
っ
た。
、
受刑者の目をしていた。
﹁
:
:
塩彦くん、
女の子に、
殴られる、
の:
:
すきだから
:
:
﹂
﹁
そうなんですかっ
!
?
﹂
﹁
先輩、
変な設定を付け加えないでください:
:
!
!
﹂
、
渋々
と頷いた。
﹁
:
:
貴方にはさっ
き完敗したものね。
今回これ以上やりあう
っ
て雰囲気でもないし:
:
とりあえず今日のところは呑むわ
。
次の保障はないけれど:
:
貴方はどう、
朽葉
?
﹂
っ
と喋るどころか皆の視界に写っ
ていなかっ
た朽葉が
、
こくりと頷いた。
︵
いたのか:
:
︶
︵
忘れてた:
:
︶
︵
あの人、
私と同じ名前:
:
怖いけど、
お友達に、
なれるかも
:
:
︶
︵
さっ
きから思っ
てたけど彼は誰なんだろう:
:
︶
﹁
:
:
コホン。
ダウトの二人も、
今回だけは俺の顔に免じて
、
見なかっ
たことにしてもらえないだろうか:
:
?
﹂
﹁
師匠がそこまで言うならあたしはいいですけど:
:
﹂
。
、
難しい顔をしていた。
﹁
塩彦、
さん:
:
貴方の言い分は俺個人としては、
もっ
ともすぎて反論の余地もない
:
:
だが、
立場としてオメガダウト
、
いやトラストを放置することは:
:
﹂
﹁
オメガダウトなら、
今日死んだ。
トラストもいない。
ここにいるのは
、
ダウトに恨みを持ち俺を殴るのが趣味の女の子だ
﹂
﹁
え、
本当に殴っ
て欲しいの:
:
?
﹂
|
して塩彦はオメガダウトの覆面:
:
だっ
た切れ端を巌夫に手渡す。
﹁
:
:
そういうことにはしてもらえないだろうか:
:
?
﹂
口を開いた
。
﹁
:
:
危機を救っ
てくれた事は感謝します:
:
ですが、
次もこう上手くいくとは思わないで下さい
﹂
﹁
:
:
と、
言う事は:
:
﹂
﹁
ああ。
オメガダウトの討伐には成功した。
正体の人物は生死不明だが
、
追撃の末崖から転落、
捜索は困難である
:
:
覚えたか、
桜庭?
﹂
﹁
え?
、
うん。
オメガダウトはあたしがやっ
つけてや
っ
たぜ!
っ
て事でいいんだよな?
:
:
事実だし
﹂
﹁
私は、
貴女に負けたつもりは:
:
﹂
﹁
お?
?
す
っ
ぞ?
﹂
﹁
やめろ貴様ら!
!
!
?
﹂
﹁
わ、
わかっ
たわよ:
:
﹂
﹁
す、
すみません師匠:
:
﹂
二人は弱腰にな
っ
た。
、
碌な事にはならない
。
、
ラゼッ
トがフォ
ロ|
にまわ
っ
た。
﹁
あ、
あまり塩彦くんを、
怖がらないで、
あげて、
下さい
:
:
塩彦くん、
とっ
てもいい人:
:
必要ないっ
て、
捨てられてた私を
、
拾っ
て、
くれた:
:
﹂
﹁
先輩:
:
﹂
﹁
ペッ
トに、
して、
くれた:
:
﹂
﹁
先輩:
:
!
?
﹂
︵
数年の間に、
師匠がヘンタイに:
:
!
︶
﹁
ペッ
トにはしてないから:
:
﹂
っ
たのか、
莉緒が立ち上が
っ
た。
﹁
:
:
これ以上言うことがなければ私達は失礼するわ。
悪いけど
、
ダウトと長居する気はないの。
行きましょ
、
朽葉
﹂
﹁
:
:
﹂
、
彼女の後に続いた。
﹁
:
:
あ、
あの:
:
﹂
﹁
:
:
?
﹂
ッ
トに、
何かと思っ
ていたら。
﹁
:
:
ばい、
ばい:
:
﹂
﹁
︵
:
:
ぺこ:
:
︶
﹂
っ
て別れる彼女に、
朽葉は軽く頭を垂れた
。
﹁
:
:
貴方達全員、
次会っ
たら敵よ。
忘れないで﹂
っ
て、
セ|
ラ|
服を上から着込んだ少女は闇に溶けて見えなくなる
。
、
莉緒は呟いた。
﹁
とても、
強い:
:
でも、
お人よしで、
変な人:
:
﹂
﹁
:
:
莉緒﹂
﹁
何かしら?
﹂
﹁
﹃
﹄
、
もうこのキャ
ラ作りやめていいか
:
:
?
﹂
﹁
そうね。
次は常に雄叫びを上げる狂戦士で行きましょ
う
﹂
︵
:
:
:
:
必要性は:
:
:
:
:
:
?
︶
○
﹁
では改めて、
お久しぶりです師匠!
っ
たんですよ すごいでし 褒めてください
!
ょ
う!
!
﹂
﹁
:
:
あんなに小さかっ
た、
君がね:
:
立場はどうあれ
、
成長したんだね。
えらいえらい﹂
、
弥生。
ダウトではまず見られない光景だ
っ
た。
﹁
塩彦さんには相当懐いていたからな:
:
﹂
︵
:
:
わたし、
も:
:
撫でて、
ほしい:
:
︶
﹁
:
:
それと:
:
その、
サクリファ
イスにも、
なっ
たんです
﹂
﹁
:
:
!
﹂
、
塩彦の目が見開く。
﹁
腐魂を狩るっ
て、
こんなに大変なことだっ
たんですね
:
:
面白い色の胃液とか吐き出すし、
寿命がガリガリ削れてるな
っ
てのをダイレクトに感じます:
:
﹂
﹁
君、
は:
:
その人生に、
納得しているのかい?
﹂
﹁
:
:
わかりません。
衣食住には困らないし、
前より良くな
っ
た気もすれば、
いつ死ぬかわからなくて夜中がたがた震えたりもします
:
:
。
:
:
師匠、
折り入っ
てお願いがあるのです﹂
﹁
ん:
:
?
?
、
俺にできることなら何でもするけど
:
:
﹂
、
作っ
たような笑顔で弥生は言
っ
た。
﹁
あたしを:
:
殺して下さい﹂
﹁
!
:
:
﹂
﹁
:
:
!
﹂
﹁
それ、
は:
:
どういう意味で、
言っ
てるんだ:
:
?
﹂
。
﹁
サクリファ
イスのデメリッ
トは知っ
ていました。
と言うかそれ自体にはデメリ
ッ
トしかないんですけど:
:
まさか
、
腐魂の浄化があそこまで単調なものだとは思わなか
っ
たんです。
、
いくら狩っ
ても血も沸かないし肉も踊らない
:
:
戦闘の高揚感も、
焦燥感も何もない
。
自分の内臓をひたすら殴り続けるような感覚でした
。
っ
てる最中思っ
たんです。
ああ、
あたし何やっ
てんのかな
っ
て。
っ
て、
生きる事は戦いで、
戦う事が生きることでした
。
今もそうです。
いくらお金を使っ
ても、
自分の一番底にあるものには届きません
。
:
:
死ぬんなら、
腐魂なんか吸収して死ぬより、
強い敵に立ち向か
っ
て死にたいんです。
師匠のような、
強者に
:
:
。
、
貴方の戦いを見て、
そう思いました﹂
ァ
イティ
ングポ|
ズを師に向けた。
﹁
:
:
一手ご教授お願いします﹂
﹁
おい、
桜庭:
:
!
﹂
﹁
止めないで、
茶村。
あたしはサクリファ
イスとして死ぬなんて絶対にごめんだ
。
死ぬんなら、
人間として死ぬ
﹂
﹁
:
:
ッ
!
﹂
﹁
:
:
弥生くんの、
寿命は:
:
?
﹂
﹁
:
:
正確にはわかりませんが、
自分の感覚では一年持つかも怪しいです
﹂
﹁
:
:
そうか:
:
﹂
、
それからゆっ
くりと構えた。
﹁
:
:
!
、
くん:
:
!
﹂
﹁
大丈夫です先輩。
とりあえず今は殺す気はない:
:
弥生くん
、
この戦いが終わっ
た後、
君がどうしてもと言うんなら考えよう
。
:
:
さっ
きの女の子もそうだけど、
溜め込んだストレスを発散できれば
、
心が楽になるかもしれない﹂
﹁
:
:
!
、
くん:
:
やっ
ぱり、
女の子に、
ぶたれたい
、
の:
:
?
﹂
﹁
俺をそういうキャ
ラにしないで下さい﹂
﹁
:
:
感謝します﹂
、
師弟対決の火蓋が切っ
て落とされる
。
﹁
|
|
シッ
:
:
!
﹂
、
ノ|
ガ|
ドの塩彦の頭を揺らす。
﹁
くっ
:
:
!
﹂
﹁
遠慮は要りませんよ師匠。
あたしも師匠と同じで、
殴られて興奮するタイプなんです
﹂
﹁
同じタイプじゃ
ないよ:
:
!
?
﹂
ッ
クが、
右腿狙いの蹴り下ろしへと変化する
。
、
魔拳使いの間では常識だ
。
、
弥生の足を襲う。
﹁
|
|
|
|
ッ
!
!
ぉ
ぁ
ぁ
ぁ
ぁ
ぁ
っ
!
!
﹂
、
両手による同時魔拳を放つ
。
﹁
﹃
・
ボルケイノ﹄
ッ
!
!
﹂
穿つ
。
、
カウンタ|
となるタイミングで踏み込んで魔拳を放つ
。
、
右足も左足も使わず。
、
歴代でもそうはいない。
ッ
クしてからの右頬を吹き飛ばすようなヘ
ッ
ドバッ
トが弥生の奥歯を一本へし折っ
た。
、
塩彦もその身に魔拳の二撃を受けた。
﹁
い:
:
っ
たぁ
い:
:
!
﹂
﹁
ぐっ
:
:
流石にガ|
ド無しだと、
骨身に染みるな:
:
﹂
、
臨戦態勢を崩さない
。
﹁
|
|
|
っ
!
ッ
!
き合 出
っ
てくれるんだ、
もっ
と死ぬ気で打ち込め!
!
し惜しみするな
!
!
!
﹂
、
ラゼッ
トも塩彦にエ|
ルを送っ
た
。
﹁
:
:
あ、
後で私が、
痛いの痛いの飛んでけっ
て、
してあげる
、
から:
:
塩彦くん、
頑張っ
て:
:
!
﹂
﹁
出し惜しみするな、
か:
:
師匠、
あたしの魔拳、
どうですか 正直に言
:
:
?
っ
て下さい:
:
﹂
﹁
:
:
ダウトでは間違いなく凄腕に入るだろう。
立派だと思う
、
が:
:
そこ止まりじゃ
あ合格点は与えられない
﹂
﹁
やっ
ぱり、
ですか:
:
じゃ
あ、
ちょ
っ
と怒らせます。
本気にな
っ
てくれないと、
師匠は私に手加減しちゃ
いますから
﹂
﹁
:
:
?
﹂
﹁
オ|
ラア|
ツ、
解放:
:
﹂
﹁
!
﹂
、
一段速くなる。
、
攻撃に移るテンポが、
拳打が、
蹴撃が
。
、
魔拳が。
っ
たかのような動きには、
塩彦も見覚えがあ
っ
た。
﹁
君は、
オ|
ラア|
ツは習っ
てなかっ
たはず:
:
どこでそれを
:
:
?
﹂
﹁
ダウトに記録が残っ
てたんです。
私の才能では魔拳一本で勝負することはできないと思いました
。
結果としてサクリフ
ァ
イスに選ばれてしまいましたが:
:
強くなっ
たこと自体に後悔はありません
。
、
結果もダメダメだけど:
:
あたしは強くあろうとした事を
:
:
あたしの道を否定したりはしないッ
:
:
!
!
﹂
、
塩彦は冷静かつ的確にさばいていく
。
﹁
流石ですね:
:
なら、
これならどうですっ
:
:
?
オ
|
ラパワ|
ド:
:
!
﹂
っ
かけとして、
弥生の動きが左右から襲い来るようなものへと変わる
。
﹁
オ|
ラパワ|
ド、
二式:
:
!
、
四式、
のっ
:
:
五式:
:
!
!
﹂
﹁
っ
:
:
!
!
﹂
。
々
しくも的確で、
何より重い連撃が塩彦の身体を揺さぶる
。
﹁
そしてこれが、
オ|
ラア|
ツ零式:
:
っ
!
!
!
、
見せかけての:
:
!
!
﹂
|
ラを放出したままスタイルを切り替え、
タイミングを外した所に狙い撃つ
。
﹁
魔拳、
ボルケイノ:
:
三連ッ
!
!
!
﹂
っ
た、
と思わずにはいられない見事な緩急の連携だ
っ
た。
、
その隣のラゼッ
トは彼がどう返すかわかっ
ていた
。
﹁
|
|
グラン・
ボルケイノッ
:
:
!
﹂
﹁
:
:
!
﹂
、
緊急迎撃用、
または強襲用の連続魔拳
。
、
魔拳の打ち合いにおいてその効力は大きく
。
っ
た胸部を、
一撃が打ち抜いた。
﹁
ぐはっ
:
:
!
﹂
、
弥生は受身も取れずに吹き飛ばされた
。
︵
強い:
:
!
ゃ
適わない、
これが本物の魔拳使い
:
:
!
っ
ぱり、
横道に逸れたあたしじゃ
、
勝てるわけない、
か
:
:
︶
、
諦めが支配する。
︵
良かっ
た:
:
最後に、
師匠のような人と戦えて:
:
︶
﹁
まだだッ
!
!
!
﹂
、
ラゼッ
トは︵
びく:
:
!
︶
と震えて後ずさ
っ
た。
﹁
まだ限界まで出していないだろうッ
!
ッ
!
!
﹂
、
巌夫は倒れこむ彼女に歩み寄り
、
手を取っ
て無理矢理に立たせる。
﹁
お前は才能はあるくせにやることなすこと全部中途半端の
、
ダメだと思っ
たらすぐ投げ出すいじけ女だ。
:
:
俺がその中途半端、
少しは埋めてやる﹂
﹁
:
:
兄貴:
:
﹂
﹁
これはお前の戦いだ。
お前が﹃
﹄
﹂
﹁
:
:
ありがと:
:
へへ、
愛してるぜ、
お兄ちゃ
ん:
:
﹂
﹁
:
:
﹂
っ
て見過ごす塩彦。
、
ここからまだ奥の手があるらしい。
、
おおよその想像はつく。
、
﹃
ァ
イス﹄
。
○
﹃
、
ご飯だぞ。
腐っ
てないから、
落ち着いて食べろ
﹄
﹃
ゃ
ん、
ごはんたべないの:
:
?
っ
かも
、
なにもたべてないよ:
:
?
﹄
﹃
、
しっ
かり食べてるんだよ。
ほら
、
お兄ちゃ
ん元気だろ?
﹄
﹃
:
:
うそつき:
:
ほんとうは、
なにもたべてないのに
:
:
おにいちゃ
んがたべないんなら、
あたしもたべない
:
:
﹄
﹃
。
お兄ちゃ
んはな、
お前とは違っ
て強いんだよ
。
強くなっ
て、
妹を守らなくちゃ
いけないんだ。
だから
、
大丈夫だ﹄
﹃
ゃ
あ:
:
あたしがよわいから、
おにいちゃ
んごはんたべれないの
:
:
?
﹄
﹃
:
:
そうなるかな。
別に、
気にすることはないぞ
﹄
﹃
:
:
あたし、
がんばっ
てつよくなる:
:
!
おにいち
ゃ
んと、
あたしと、
ふたりでおなかいっ
ぱいたべられるように
、
つよくなるよ:
:
!
﹄
﹃
:
:
そうだな。
強く生きていこうな。
二人とも:
:
﹄
、
そんなやりとりだっ
た。
、
兄は妹のために強くあろうと誓っ
た。
、
兄よりも戦闘の才があり、
その強さを認められ﹃
ァ
イス﹄
っ
てしまっ
た。
、
妹を守るため自ら進んで﹃
﹄
とを申し出た
。
、
強さを求めた二人は、
結果としてお互いの命を縮めることとな
っ
た:
:
。
○
。
、
意志の繋がりを、
一本の糸へと紡ぎ合わせる
。
っ
ていた道だっ
たとしても。
、
二人の絆で、
二人の力だっ
た。
﹁
ソウル・
アクセス:
:
﹂
︽
レギオン︾
と|弥生︽
サクリファ
イス︾
が|融合
︽
ソウルアクセス︾
し、
|世界から一歩踏み出した存在
︽
インフェ
ルノフレ|
ム︾
と化す。
、
|世界崩壊︽
テンペスト︾
を防ぐ﹃
スト
︽
大いなる信頼︾
﹄
。
、
胸元を大きく開けた扇情的なドレスを身に纏う
。
薄い素材の桜色ドレスは、
よく見ればう
っ
すら透けているものの淫靡と言うよりは優艶であり。
、
巌夫の﹃
ッ
クスピア﹄
。
足はガラスのようなハイヒ
|
ルを履きながらも敏捷性を損ねない。
そして頭にテ
ィ
アラを被っ
た姿は神話の女神のように絢爛であ
っ
た。
﹁
:
:
﹃
・
トライデント﹄
。
これがあたし達の
、
本気の本気です:
:
!
﹂
﹁
:
:
インフェ
ルノ、
フレ|
ム:
:
すごい:
:
!
﹂
﹁
:
:
君達が兄妹で、
しかもインフェ
ルノフレ|
ムにまでなれるとは
:
:
驚いたよ﹂
。
ェ
ルノフレ|
ムになれるということは、
ダウトの切り札
、
その一角を担っ
ているという事である。
﹁
兄妹については特に隠してたわけじゃ
ないんですけどね
。
あたしたち元々
の苗字がないし、
顔も似ていないから
、
誰もそう思わなかっ
ただけです﹂
、
トライデントは弥生の姿形をしながら巌夫の構えで塩彦に槍を向ける
。
﹁
﹃
﹄
。
行きますよ
、
師匠:
:
﹂
﹃
﹄
、
琥珀に類似した姿勢で猛進する
。
ェ
ルノフレ|
ム化による身体能力の向上、
更にオ
|
ラア|
ツによる加速も相まっ
て、
師に匹敵する勢いの速度とキレを有していた
。
、
塩彦は。
﹁
そうか:
:
ならば俺も、
同じ条件でいかせてもらおう
:
:
﹂
っ
て、
万物を切り裂かんが如く唸る槍突を生身の腕で受け止めようとする
。
﹁
!
:
:
いや、
何か考えがあっ
てのこと:
:
押し通る
ッ
!
!
﹂
、
迷うことなく地を駆けていくトライデント
。
|
|
○
﹃
、
しっ
かりしろ、
春美|
|
!
!
﹄
、
塩彦は重症を負っ
た友人へと声をかける
。
﹃
、
彦:
:
なんで、
泣いている:
:
?
﹄
﹃
、
しまっ
た:
:
この争いは、
俺を標的としたもの
:
:
俺が原因、
なんだ:
:
﹄
、
まず助からないであろうことが伺えた
。
﹃
、
春美:
:
俺の、
弱さが:
:
俺の、
迂闊さが
、
無関係のお前を、
苦しめた:
:
﹄
。
、
こんなことにはならなか
っ
た。
﹃
:
:
謝るんじゃ
、
ねぇ
:
:
﹄
﹃
:
:
え:
:
?
﹄
﹃
:
:
怖かっ
た:
:
。
変な奴等が現れて、
暴れて:
:
わけもわからず、
恐怖に震えた:
:
このまま殺されるのかと
、
思っ
たんだ:
:
﹄
﹃
:
:
ッ
:
:
﹄
﹃
:
:
お前が、
来てくれた:
:
あんな、
わけわかんね
ぇ
連中に、
立ち向かっ
て:
:
ボロボロになっ
てまで、
撃退してくれた
:
:
﹄
、
苦痛を堪えながらにっ
こりと笑っ
た。
﹃
っ
た、
んだぜ:
:
お前が来てくれて、
俺は救われた
:
:
。
心底、
ほっ
としたんだ:
:
﹄
﹃
、
美:
:
﹄
、
徐々
に抜けていくのを感じる。
、
彼は喋るのを止めようとはしなかっ
た。
﹃
、
青井塩彦ッ
:
:
!
、
何者だっ
たか
:
:
過去に何をやっ
ていたのかは、
知らねぇ
:
:
だがな
、
今こうして俺を助けに来てくれた奴が、
間違いであるわけがね
ぇ
:
:
!
、
正義の味方だッ
:
:
!
るな
ッ
、
信念を曲げるなッ
:
:
!
!
﹄
﹃
:
:
俺、
は:
:
﹄
﹃
ぇ
よ:
:
。
誰が、
否定しても、
俺だけは、
お前を
、
肯定してやる:
:
助けてくれ、
て:
:
ありが、
と:
:
|
|
﹄
﹃
:
:
﹄
っ
たように。
、
動かなくなっ
た|
|
︵
|
|
春美、
俺は:
:
っ
ても、
いいんだな:
:
︶
○
|
|
重々
しい手甲を纏っ
た、
塩彦の両腕であっ
た。
︵
お前が作っ
てくれた道だ、
春美:
:
︶
﹁
ギガトラスト:
:
:
:
召、
喚:
:
﹂
。
。
﹃
︽
大いなる信頼︾
﹄
が
、
渾身の力で槍を弾き飛ばした。
﹁
:
:
ど|
りで、
あまり驚かなかっ
たわけだ:
:
聞いてないですよ師匠
、
単独インフェ
ルノフレ|
ムなんて:
:
ッ
!
!
﹂
﹁
:
:
聞かれてないからね。
それと俺は、
﹃
﹄
ゃ
ない
。
特殊なタイプの融合型であっ
て、
単独は別に存在する
﹂
、
拳を交えんと疾駆する。
。
だが、
移動速度はオ
|
ラア|
ツを駆使するトライデントが上回っ
ていた。
。
塩彦が腕で受けると、
その死角を利用して横に回りこむ
。
﹁
|
|
ハァ
ッ
!
!
﹂
﹁
グッ
:
:
!
!
﹂
、
側面や背面からの攻撃の方が防御が難しいのは当然だ
。
、
尚更である。
、
防御の合間を縫っ
て槍撃が飛んでくる
。
、
完全に捌き切ることはできなかっ
た
。
ア|
マ|
の肩当てが粉砕され、
内部にまでダメ|
ジを通す
。
|
チの長さとオ|
ラア|
ツによる急後退は
、
反撃を困難とする。
|
|
﹁
フッ
:
:
!
﹂
﹁
!
﹂
、
拳による風圧が撫でた。
︵
なんて、
反射速度:
:
!
︶
|
|
それでも尚喰らい付くのが、
塩彦と言う男だ。
﹁
オ|
ラア|
ツで滑るように高速移動し、
防御崩しの魔拳で牽制して
、
僅かな隙に槍をねじ込む:
:
これが君の
、
|戦い方︽
魔拳︾
か:
:
﹂
﹁
あはは:
:
せこい、
ですか?
﹂
﹁
:
:
いや。
見事な間隙突きだ。
師として、
成長を嬉しく思う
﹂
﹁
お褒めに預かり光栄です、
師匠:
:
あたしは、
師匠みたいにはなれません
。
あたしの魔拳は、
これでいい:
:
|
ラア|
ツ:
:
全ッ
:
:
開ッ
ッ
!
!
!
!
﹂
。
、
立場も、
戦う理由も、
もはや関係ない。
、
目の前の人にぶつけるだけだ。
﹁
オ|
ラ、
パワ|
ドッ
:
:
フル、
スロッ
トルッ
ッ
:
:
!
!
﹂
、
常人:
:
いや、
ダウトの精鋭から見ても、
ほとんど瞬間移動に近か
っ
た。
、
魔拳。
、
﹃
ッ
ク・
スピア︽
レギオン能力︾
﹄
。
、
オ|
ラア|
ツ。
︽
トライデント︾
の一撃は
、
未だかつて誰にも破られた事はない。
﹁
|
|
﹃
・
デストラクショ
ン﹄
ッ
ッ
ッ
|
|
|
|
!
!
!
!
﹂
︵
本当に、
強くなっ
たんだな:
:
︶
﹃
﹄
、
よく通る声で言
っ
た。
。
﹁
俺も、
見せよう:
:
本気の、
本気を:
:
俺一人では辿り着けなか二を
っ
た:
:
魔拳の﹃
﹄
:
:
!
!
﹂
、
だらんと垂れる。
。
。
|
|
他のどの魔拳とも違うものであっ
た。
﹁
すぅ
:
:
﹂
、
息を吸い込む。
。
、
トライデントの前面に出現した
。
﹁
:
:
魔拳、
ヘルクラッ
シュ
:
:
﹂
﹁
|
|
|
|
!
﹂
︵
これが、
青井塩彦:
:
﹃
﹄
:
:
:
:
﹃
﹄
:
:
:
:
|
|
︶
、
そこで途絶えた。
○
﹁
:
:
あ、
起きた。
だ、
大丈夫かい:
:
?
﹂
、
心配そうに覗き込む師匠の目だ
っ
た。
﹁
:
:
し、
しょ
う:
:
?
、
何して:
:
あいたっ
!
:
:
あいたたた:
:
﹂
っ
た。
﹁
俺達は二人がかりで挑んで、
みっ
ともなく負けたんだ
。
気が済んだか:
:
桜庭?
﹂
、
朝日が少しだけ昇りかけていた
。
﹁
:
:
いや:
:
こっ
ちも、
二人がかりだから同じだよ:
:
﹂
﹁
:
:
?
﹂
﹁
:
:
それで、
:
:
その、
殺して欲しいっ
て言っ
ていたのは
:
:
まだ思っ
ているかい:
:
?
﹂
。
どういう返事を期待しているかは明らかだろう
。
、
どこか吹っ
切れた思いはあっ
た。
、
師匠に笑顔を向ける
。
﹁
:
:
いえ。
少なくとも今は:
:
師匠に追いつきたいです
:
:
まだ、
生きていたい、
です:
:
﹂
﹁
そ、
そうか:
:
よかっ
たっ
:
:
!
﹂
、
弥生は気恥ずかしさに顔を赤らめた
。
﹁
やれやれ、
人騒がせな:
:
﹂
﹁
:
:
でも、
よかっ
た、
です:
:
﹂
﹁
一件落着、
ですわね﹂
。
﹁
あれ、
ライザ|
隊員、
なんでここに:
:
?
﹂
﹁
あ、
気にしなくていいよこの子は。
ちょ
い役だから﹂
﹁
なんてことを言うんですか!
!
﹂
。
﹁
ぐわぁ
ツインテ|
ルが!
﹂
﹁
応援要請を受けて来ました。
塩彦が貴女達をボコボコにしてるのを見た時はどうしようかと思いましたけど
:
:
﹂
﹁
ライザ|
隊員、
師匠と知り合いなんですか:
:
?
﹂
﹁
ええ。
私は塩彦のメイドですの﹂
﹁
え、
何言っ
てんのこの子:
:
?
﹂
﹁
ペッ
トに加えてメイドもいるんですか!
?
﹂
﹁
ペッ
ト:
:
?
、
何か飼っ
ていましたっ
け?
﹂
﹁
あ、
そこの人:
:
﹂
﹁
:
:
塩彦くん、
の:
:
ペッ
ト:
:
わん、
わん:
:
﹂
﹁
貴女ペッ
トだっ
たんですの!
?
﹂
︵
数年の間に、
師匠が女たらしに:
:
!
︶
﹁
ライザ|
が出てくると話がややこしくなるから引っ
込んでいてくれ
。
先輩も、
悪ノリしないの﹂
﹁
私も出たいですの、
出たいですのっ
:
:
!
﹂
|
を画面の外に押しやる塩彦。
﹁
:
:
さっ
きのでわかっ
たと思うけど俺もサクリファ
イスだ
。
多少は力になれると思う。
これからも何かあっ
たら相談してくれ
﹂
﹁
:
:
はい、
師匠:
:
﹂
﹁
それに、
君にはパ|
トナ|
もいるだろう。
一人で抱え込む必要はない
﹂
﹁
あ:
:
。
:
:
ごめん、
あに:
:
茶村:
:
﹂
﹁
いや:
:
気が付かなかっ
た俺も悪い。
:
:
帰るぞ﹂
﹁
え、
ちょ
っ
:
:
﹂
、
その場を後にする。
﹁
妹が世話になりました。
縁があっ
たらまた会いましょ
う
、
塩彦さん、
それとラゼッ
トさん﹂
﹁
し、
師匠っ
:
:
その、
今度、
よろしければお食事でも
っ
:
:
おい、
ちょ
っ
と待て、
止まれバカ茶村:
:
早歩きするな
:
:
っ
!
﹂
﹁
:
:
ああ。
二人とも、
元気でね﹂
﹁
︵
ぺこ:
:
︶
﹂
﹁
あれ、
私置いてけぼりですの:
:
?
﹂
﹁
出れただけありがたいと思え﹂
﹁
何ですのこの扱い!
?
﹂
、
弥生は呟いた。
﹁
:
:
なんか、
こうしておぶっ
てもらうのも久しぶりだな
:
:
﹂
﹁
む:
:
?
っ
た事など、
あっ
たか:
:
?
﹂
﹁
あっ
たんだよ、
昔:
:
。
:
:
あの、
さ:
:
﹂
﹁
なんだ:
:
?
﹂
﹁
あたし、
お金ならドブに捨てるほどあるからさ:
:
﹂
﹁
嫌な大人になっ
たな:
:
﹂
﹁
:
:
たまには、
二人でおいしいものでも食べに行かない
:
:
?
﹂
﹁
!
:
:
ふっ
、
まさか妹に奢られる日が来るとはな:
:
﹂
﹁
え、
奢るとは言っ
てないよ?
﹂
﹁
違うのか:
:
﹂
。
﹁
:
:
へへ:
:
﹂
﹁
:
:
?
:
:
﹂
﹁
ううん:
:
今の生活も、
悪くないかなっ
て:
:
:
:
ふ
ぁ
:
:
﹂
っ
てないのか、
それとも兄の背中が心地良いのか
。
﹁
:
:
すぅ
:
:
﹂
、
寝入っ
てしまっ
た。
﹁
:
:
悪くない、
か:
:
。
:
:
。
:
:
何よりだ:
:
﹂
、
兄が一人微笑んだ。
﹁
ふぅ
、
まだ疲れが残っ
ている:
:
﹂
ッ
ト達と別れて
、
一人近場のホテルで一泊してから︵
ラゼッ
トが家に泊ま
っ
て行くかと尋ねたが丁重に断っ
た︶
自宅へ戻
っ
てきた。
ャ
。
﹁
おう塩彦。
お邪魔してるぞ﹂
ッ
ドに座っ
ていた。
﹁
:
:
何故貴様がここにいるッ
:
:
鍵はどうしたッ
:
:
!
?
﹂
﹁
ああ合鍵作っ
た。
まあいいだろう、
俺とお前の仲じゃ
ね
ぇ
か﹂
﹁
勝手な真似をッ
:
:
!
!
﹂
﹁
そういやなんか女の子が訪ねてきたぞ。
師匠はいますか
っ
て:
:
なんかお前のことらしいけど﹂
﹁
弥生くんか:
:
それでどうした?
﹂
﹁
﹃
|
に何か用か﹄
っ
て言っ
たら凄い顔して走
っ
ていっ
ちまっ
た﹂
﹁
ボルケイノォ
ァ
!
!
!
﹂
﹁
ぐふぉ
ッ
:
:
!
?
﹂
。
●
未プレイだと全然わかんない!
﹁
魔拳を継ぐ者﹂
キャ
ラクタ
|
解説・
桜庭オリキ
ャ
ラその1
。
本編にこんなんはいない。
モチ
|
フははなみちのレフティ
+
イスカっ
て感じ。
イスカかわいいよね
。
魔拳を継ぐ者かと思いきやまさかのオ
|
ラア|
ツ使い。
オ
|
ラア|
ツっ
て普通に強くね?
・
茶村オリキ
ャ
ラその2
。
本編にこんなん。
なんかガレリアン
っ
ぽくなっ
たね。
ただのレギオンかと思いきやまさかのオ
|
ラア|
ツ使い。
ペド野郎のホ
|
リ|
ランスとかシスコンのビ|
ストゲイザ
|
っ
て闘気操作だしオ|
ラア|
ツと関係あるような気がする
。
・
浅葱オリキ
ャ
ラその3
。
本編。
性格違うけど容姿はす
っ
げ|
まともになっ
た例のあいつっ
てイメ
|
ジ。
あいつだよあいつ。
ゾンビ。
微妙な能力
。
強い設定ではあるんだけどね。
たぶん部下の方が強いぞ
。
・
朽葉オリキ
ャ
ラその4
。
もう無い:
!
!
下の名前は特に考えてない
。
モチ|
フは殺戮兵器っ
て聞いて最初に想像した俺のイメ
|
ジ。
キ
ャ
ラ付けの都合上ほとんど喋れなかっ
た。
・
青井我らが大人気主人公
。
はなみち塩彦に匹敵するぐらい強いかもしんない
。
この時間軸あたりでこんなことや
っ
てんじゃ
ないかな|
っ
て想像して書いた
。
ヘルクラ
ッ
シュ
が使えるかどうかは議論の余地があると思う
。
・
ラゼッ
ト・
黄海みんな大好き殺戮兵器
。
いや
|
本編での大暴れは爽快だっ
たね。
なので今回も大活躍していただきました
。
ごめんなさい
っ
て言うとガル|
ダとかぶるよね。
・
ライザ|
・
エンハンススノ|
ち
ょ
い役。
・
柘植こいつ死にそうになくね
?
っ
て思っ
てたら最後なんか出てきた
。
死んだ
。