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ep.4 暇つぶし

大輔が公園から去
た後
和葉と冬羽の会話
宮村大輔
 
舞雲高校三年生
 
彼女なし
 
趣味
ピアノ
だが
恥ずかしくて人前では弾かない
 
家族
両親はすでに他界
五つ上の姉と二人でア
トに住んでいる
基本情報はこんなもんかな
でも
 
和葉は右手に浮かんだテレビのような画面から顔をあ
目の前の白い子供に話しかける
冬羽ち
んが僕以外の人間
それも生きている人間に
興味を持つなんてち
と信じられないよ
しかも
守り
まで渡すなんて
 
と和葉は鼻で笑い
手元にあるギタ
をぽんと叩
和葉
お前は人間じ
ないだろう
 
無表情のまま
冬羽はベンチに座
た和葉を見つめる
今は人間だよ
今は
亡霊だけどさ
 
和葉はそう言
て夜空を見上げる
 
鈴虫のり
んり
んという声が
公園じ
うにこだま
していた
 
和葉は急にまじめな態度に切り替える
なんで
お守り
ミシマが動く
いや
目覚めるとい
たほ
うがいいかな
 
白い彼女はため息をつく
 
和葉が目を見開く
冗談だろ
 
何かの間違いだ
と和葉は目の前の子どもを睨む
あの坊やに私たちが見えたのも
通常ならあり得ない
ことだよ
あの坊やに霊感があるとは思えないし
それ
最近気配がするんだよ
ああ
なるほど
 
そう言
て和葉はギタ
を奏でる
いつもと違
てぎ
こちない音色だ
だから
私の声が聞こえる人間に
死なれて
は困るんだ
 
そして彼女は両目を閉じ
ふふふ
と力なく笑
たく嫌な奴だな
私は
お守りね
 
早朝
大輔は背中越しに自転車をこぐ尚紀に
聞こえ
るか聞こえないか微妙な声で呟いた
 
アパ
トの隣に住む尚紀との自転車二人乗り
昨日派
手に転んだおかげでお釈迦にな
た大輔の自転車は
輔自身の最も能率的な通学手段であ
 
そう
昨日の夕方
 
大輔が出会
た二人の人物
霊もどき
 
夢ではないかと疑うほどの現象に
最初は確信してい
た大輔も時間がたつにつれ半信半疑になりつつあ
 
んけんで負けた尚紀が口をとがらせる
ぱり距離半分づつにしね
 
自転車こぐのマジ
で疲れるんだよ
だめだね
お前が仕掛けた勝負じ
んと三回
連続で勝
ただろ
ついてね
自転車壊したのお前じ
何で俺がお前を学校までタダ乗りさせなくち
なんね
んだよ
 
荒い息使いで尚紀が呟く
そんな尚紀をしり目に
輔は右ポケ
トから
あるもの
を取り出す
 
それは手にす
ぽり収まるほどの白い綺麗な木の板だ
昨日
冬羽と名乗る白い少女が大輔に渡したもので
ある
お守りね
 
木の板の中心には荒
しく
と赤字で掘られてお
独特の雰囲気を
しい雰囲気を
出してい
大輔
きから何見てんだ
 
大輔が手に持
ている板が気にな
たのか
尚紀が問
いかけた
 
もらいもん
 
大輔は一瞬
昨日のことを尚紀に言おうかどうか考え
 
だが
オカルト嫌いの尚紀が大輔の話を十割ないし一
割も信じてくれるはずもない
そう思
た大輔は
板を
ポケ
トに突
込むと
今日の一時間目
英語
の宿題
てねえな
朝日を見つめながらぽつりと呟い

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